一つの国の、あるいは一つの民族の歴史を壮大に語るためには、
リアリズムではなくマジックリアリズムで、
大人ではなく子供が語らなければならないのだろう。
国や民族そのものがフィクション性あふれる口承文学だし、
現実的というより幻想きらめく忘我の境地にあるから。
もし大人がリアリズムで語るとすれば、その記述はどんなものになるのだろう。
つまらない歴史書か、頑迷な解説文か、もしかすると奇妙に味のある物語か。
いや、理に貫かれた歴史とは、そもそも不可能かもしれない。
読み進めるうちに、ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』が念頭にあった。
子供が大人を相対化させながら饒舌に語り、ときに超能力で歴史の裏を動かす。
リアリズムではなくマジックリアリズムで、
大人ではなく子供が語らなければならないのだろう。
国や民族そのものがフィクション性あふれる口承文学だし、
現実的というより幻想きらめく忘我の境地にあるから。
もし大人がリアリズムで語るとすれば、その記述はどんなものになるのだろう。
つまらない歴史書か、頑迷な解説文か、もしかすると奇妙に味のある物語か。
いや、理に貫かれた歴史とは、そもそも不可能かもしれない。
読み進めるうちに、ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』が念頭にあった。
子供が大人を相対化させながら饒舌に語り、ときに超能力で歴史の裏を動かす。
子供の限界が30歳と位置づけられていることに、驚きの共通点もあった。
岩崎育夫『物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年』
中公新書版。
歴史的な文脈なくして、経済発展の著しい国。
徹底的な効率主義と、明るい北朝鮮とされるほどの独裁政治。
マレーシアから1965年に独立してからまだ50年、
それぐらいしか教科書的な知識のない国であるため、
ひと通りの知識をと思い、読んだ。
中国、キューバ、北朝鮮のように、独裁政治はどれも、
岩崎育夫『物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年』
中公新書版。
歴史的な文脈なくして、経済発展の著しい国。
徹底的な効率主義と、明るい北朝鮮とされるほどの独裁政治。
マレーシアから1965年に独立してからまだ50年、
それぐらいしか教科書的な知識のない国であるため、
ひと通りの知識をと思い、読んだ。
中国、キューバ、北朝鮮のように、独裁政治はどれも、
革命後の人工的産物と思っていた。
しかし、シンガポールは漸進的な独裁政治への移行である。
国を挙げての経済発展が国家存続の条件という特殊性はあれど、
そのような過程があり得るということに驚いた。
実際に現地に行ってみて、どう感じるか、また楽しみだ。
舞城王太郎『ビッチマグネット』
新潮文庫版。
しかし、シンガポールは漸進的な独裁政治への移行である。
国を挙げての経済発展が国家存続の条件という特殊性はあれど、
そのような過程があり得るということに驚いた。
実際に現地に行ってみて、どう感じるか、また楽しみだ。
舞城王太郎『ビッチマグネット』
新潮文庫版。
舞城王太郎を読んだのは、『好き好き大好き超愛してる。』以来2作目だったか。
正直、語りの荒々しさと、技術的な"稚拙"さに理解できなかった。
が、当時、山田詠美が芥川賞選評で、
技術を全部取っ払ったような作品、というようなことを述べていて、
今回、今さらその表現に合点がいったような気がする。
そして、舞城王太郎のテーマはずっと変わらず"愛"なのだな、と。
登場人物を験すような書き方だから、
ストーリーは奇妙に遠景へずれ込むし、あとから追っても結果論的だ。
自然と刹那ごとが臨場感に溢れて、口語のスピード感のある文体もあって読みやすい。
正直、語りの荒々しさと、技術的な"稚拙"さに理解できなかった。
が、当時、山田詠美が芥川賞選評で、
技術を全部取っ払ったような作品、というようなことを述べていて、
今回、今さらその表現に合点がいったような気がする。
そして、舞城王太郎のテーマはずっと変わらず"愛"なのだな、と。
登場人物を験すような書き方だから、
ストーリーは奇妙に遠景へずれ込むし、あとから追っても結果論的だ。
自然と刹那ごとが臨場感に溢れて、口語のスピード感のある文体もあって読みやすい。
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