5.5.19

2018年夏/安部公房『人間そっくり』、谷崎潤一郎『細雪』『蘆刈』『吉野葛』『金色の死』、バルザック『暗黒事件』、タブッキ『レクイエム』、ウエルベック『服従』、矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん!』

昨年の夏は自分にとって、むしろ冷涼な空調とともに過ぎた。
転居という物質的な変化に始まったものの、
過ぎてみれば、心の引き裂かれる時間だった。

一方、わが小さな命は目を瞠る早さで育っている。
彼は私(たち)と周囲をどんどん飲み込んでいる。
成人して何を吐き出してくれるのか、恐れつつも楽しみだ。
が、結局は私(たち)と周囲が培ったものと肝に銘じる必要がある。

人生とは所与の時間であり、どう満たすかでしかない。
その半分は喪われた。残りを何で満たせるだろう?