同名の題の三島由紀夫の小説。未読ながら。
おめでとうございます!
先輩の同居人のバンド « dry as dust » がCDデビュー。
仙台でも大きなスペースをとって売り出されていた。
けっこう激しい、ということで、確かにそうだが、
ヴォーカルの周囲で賑やかに鳴っているはずの楽器が、
中心で伸びる声の細さ・鋭さに搦みつくように、どれも影を帯びていて、
これが独特の味を出しているように思われる。
一度聴いただけではわかりにくいが噛み締めていると分かってくるような、
一筋縄にいかない味があるのだ。
>nagiさん
『神曲』は手許に置いておいて何気なく繰りたいと思うような、数少ない本ですよね。
もっと年若い自分に出会えていればよかったと惜しませる本でした。
ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』と、フランツ・カフカ『城』を平行させて読んでいる。
前者は、思考実験のような作風で、イヨネスコ『犀』やカフカ『変身』の一統に入る。
つまり、A=Bという事実(=固定観念)をあえて否定し、それを出発点としてひたすら引っぱってゆく書き方だ。
どのA=Bを題材に採るか、そして、どのように展開させてゆくかが、作家の力量となるのだろうが、
この作品の面白いところは、多重の二項対立が現出するところ。
イヨネスコ『犀』ならば、動物/人間という対立軸に、
野生/理性、無秩序/秩序などの対立は副次的なものとして収斂される。
カフカ『変身』も、人間/虫に、日常/タブー、生/死が含まれている。
だが『白の闇』では、視力の有/無という、作品の出発点とは別個に、
権力/群衆、個/集団、倫理/欲望などが現れるのだ。
これが面白いので、すらすら読めてしまう。
(あるいは、ジョイス『オデッセイ』のような、英雄なき現代社会の小説なのかもしれないと思ったが、
それはちょっと違うようだ)
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