3.9.08

Divina Commedia

ダンテの『神曲』を読了した。
その逞しい筆力、圧倒された。
あそこまで力強く端正な文章、構成。
ルネサンスは、すでにここで萌芽している。

主に、いわばあの世の社会見学のように自分には読めた。
腐敗した聖職者たちや、イタリアを混沌たらしめる政治家たちを、
ダンテは敢えて地獄に配し、しかも煉獄や天国においても、教会の堕落を糾弾させる。
13世紀にして後の宗教改革の下準備となったとも云われる所以である。

ともかく、それを措いても、この一大叙事詩は読むに値する。
寿岳文章の訳も、詳細な註釈も、素晴らしかった。
日本語で読めるこの時代に感謝したい。
ダンテ本人は、折角ラテン語ではなくイタリア語で書いたのに、と反駁するであろうが。

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