しかし待っていても舞っていても来ずに16時になり、再度電話したら、
立ち会いは必要なかったのですでに用は済んでいた。
ドアをノックされるものだとばかり先入観で思っていたので、
「自分が知らなかったばかりに……」ということを云おうとして、
「自分の……」とまで云ってしまい、さて、どう言葉を繋ぐか?
咄嗟に口から出てきた言葉は「不明」だった。
「自分の不明のばっかりに電話で煩わせてしまい、申しわけありません」。
しかし、後で辞書を引いたところ、「不明」には「無知、愚か」という意味もあり、
先の用例は間違っていなかった、ということがわかった。
自分でも意識しないままに「不明」という言葉の別の意味を知り、
使っていた、ということになる。
前も、人と話していて、自分では意識していなかったがふと口にした単語を、
それは意味が違うのではないかと指摘され、しかし間違っていなかったことがある。
それにしてもどこから入ってきたのか、見当もつかない。
誤用されやすかったり、変わっていたりする意味、用法などなら、
日頃から気をつけているはずなのに、
これはまた言葉の、そして言葉を巡る思考・脳の不思議を感じた瞬間だった。
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