Antonio Tabucchi « Notturno Indiano ».
『イタリア広場』の読後、ぜひ他の作品を、と手に取った。
インドのホテル、夜と眠りを録したエッセイのような文体。
主人公が知人を追ってインドに来ていると、読み進めてゆくと知るが、
その手がかりも薄いままページは終わりにさしかかってから、
物語は、線先が平面から浮き上がって思わぬ方向にかしげ、終わる。
『イタリア広場』と同様、流れは省略が効いて、
その間を埋める想像力が抒情を生む。
ここに物語性が一本加えられ、もう云うことはない。
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