29.10.08

『競売ナンバー49の叫び』

これはすごい。掛け値なしにすごい。
名詞と譬喩とストーリーがすべて共鳴して、
見えざるカズー笛協奏曲を奏でている。
でも、奏でられる対象がすっぽりと抜け落ちている。
暗示だけを中心に置きながら、最後まで登場しない。
こう書くとゴドーみたいだけどね。
あ、そうか。ベケットか。
でも、見えないものを書く、ということでデュラスを思い浮かべていた。

ただ、しんどかった。
もう一度読んで解題を試みてみたいのと同じくらい強く、
もう読みたくないという気持ちがある。

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