22.10.08

『闇の子供たち』、ジョット

ともに昨日のメモ。

映画館で『闇の子供たち』を観た。
ドキュメンタリー(風)はやはり即物性なのか。
だが、人間模様も彩られるのはやはり映画(フィクション)か。
衝撃すぎるのは事実だ。

ジョットの美術展に行った。
ルネサンスの緒を開いたとされるが、抜けきらない中世美術との折衷が面白い。
どのようにしてジョット(とその時代)が中世から逃れようともがいたかが
けっこうありありと見えてくる。
まず、先進性から挙げると、
立体感、遠近法へのあからさまな科学的態度。
近世までの画家と科学者を同一視するマクルーハンを思い出した。
人物の表情もかなり豊かで、よく観察して描かれた、
つまり、イコンとしての前例踏襲に走らない意思がわかる。
次に、中世の残滓は、もっとも感じたのは、画面構成。
あるいは、象徴の継承(幼児キリストの手に持つ鶸など)。
これらの硬直化こそが、実は中世だったりする。
人は何から先に前例と前例ととり、何を見逃す(あるいは二の足を踏む)のか、
これを気づくヒントになった。

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