7.9.09

びんづるさま

軽自動車で、四国八十八ヶ所霊場の通し打ちをした。
八月三十日に出立し、九月六日に帰宅。
うち投宿、車内泊がともに三度。

初日は明石海峡大橋を抜けて四国入りし、
第一の霊山寺から第十の切幡寺までを行う。
二日目は第十一の藤井寺から第二十三の薬王寺に至り
発心の阿波は終了。
三日目は室戸岬の最御崎寺から第三十四の種間寺まで参り
夜は高知市内を歩き、高知城を上れるところまで見学。
四日目は土佐市清瀧寺に始めて足摺の岬を経て
修行の土佐を過ぎ菩提の伊予で、さらに道を行った。
西予の明石寺(第四十三)を夜に拝し、
内子を通って久万高原へ。
翌日は早速、同町の大寶寺に始める。
今治市第五十五番南光坊にて五日目を終え、
松山市に戻って夕食と温泉。
六日目は泰山寺から、伊予最後の第六十五番三角寺。
七日目の雲辺寺より涅槃の讃岐に至り、
空海生誕の善通寺にも参拝。
八日目、七十八番郷照寺から大窪寺にまで行い、
遍路の旅は無事に了った。

旅程をこうして綴るは易いが、各院どれにも思いがある。
山深くの箇所があれば同じ境内に二箇所を通ったり、
駐車場の場所に迷ったり、乱暴な道行きもあった。
しかし、少なくない出会いや発見もあった。
ここには書けない。多すぎる。

自分にとって、今回の遍路は巡礼というより旅だった。
不思議な体験も、信仰の芽生えもなかった。
だが、全箇所を廻るという唯一の目的を達して
「還俗」した自分が、これから(大文字での)旅で何ができるか。

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