ポーランド系フランス人の友人の実家に、留学生四人で遊びに行った。
ストラスブール駅からコライユで三時間半揺られ、
ジュラ県の中心都市ロンス=ル=ソニエ(Lons-le-Saunier)の駅で下車。
友人の母と義父の運転する車にそれぞれ乗り込み、
人口300人ほどの村ルヴィニ(Revigny)にある彼の実家へ。
15時過ぎの昼食にラクレットを頂く。
日本の地形を「列島に太い山脈が一本」と乱暴に概観するなら、
フランスは「東から西へとなだらかに傾斜する六角形」といったところ。
その頂上のあたるジュラ山脈が、いうまでもなく県名の由来。
寝泊まりしたのはルヴィニではなく、
そこから車で10分弱のボワシア(Boissia)。
友人一家は避暑地として使用するため、
まだ寒い春の四日間、我々のものになった。
他に訪れた村は、ボーム=レ=メッシゥー(Baume-les-Messieurs)、
シャトー=シャロン(Château-Chalon)、
クレルヴォー=レ=ラック(Clairvaux-les-Lacs)。
それぞれ三者三様の景色と地形に位置するが、
重要なのは、どれも日本語の市町村の「村」ではない。
「集落」である。
フランスにはおそらく日本の行政区分の「村」は存在しなかろう。
それぞれの集落が村である。もちろん村ごとに村役場がある。
建物は一般の住居と見分けがつかず、
Mairieと書かれていないと役場とはわからないが。
たとえば平成の大合併なんてものはフランスでは想像できなかろう。
規模がどうであれ家の集まりの一つが市町村である。
見たままの原理が行政区分に敷衍されている。
ただし、大きすぎるものはいくつかに分割する。
自治が弊害されないようにするためだ。
日本の市町村は、そうではない。
ある程度の面積で括り、市なり町なりとして「まとめあげる」。
フランスの村は、日本で云うなら字(あざ)に当たろうか。
ただし、それぞれの字には役所はない。
何か手続きがあれば、車を飛ばして役場に行かねばならない。
どちらが地方分権的だろうか。
地方住民への配慮をしているのはどちらだろうか。
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