・円城塔「オブ・ザ・ベースボール」
つまらなかった。でもそれは、
提示内容がそう見せかける必要があるから。……なのか?
これで複雑系ぶってもらっては困る、というのが正直なところ。
そのくせ現実を斜に構えて、
『ライ麦畑でつかまえて』をパロって見せる辺り、
何がしたいのかあまりよくわからない。
「俺たちはレスキュー・チームではなくて
ベースボール・チームではない」って、何回云うかね。
『ライ麦畑…』のお伽話から醒めさせたいだけのための小説?
難解、ではなくて、難解ぶってるし。
語りの衒学(での水増し?)、てな文体が、
かなり鬱陶しいものの、読みやすくて、せめてもの救い。
・ペドロ・アルモドバル「オール・アバウト・マイ・マザー」
映像が自然とカラフルな、南欧の感触が、久しぶりだ。
そして、ペネロペ・クルスが好いね。
男の名前エステバンほか、作中反復があちこちにあって、
だから粗筋にまとめられない、よい映画だった。
劇中劇でテネシー・ウィリアムズの未読作品が重要だったので、
図書館で借りてきた。
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