28.2.10

マルセル・エメ傑作短編集

20世紀の暗いユーモアが語った、でも人間味ある物語たちだった。
星新一っぽいかもしれないけれど、
パリやプロヴァンスの舞台や時代、情景は心境とともに、
綺麗に文体に写し取られている。
第一次大戦で一気に突入した、
戦争と総力戦の世紀としての短い20世紀の幕開け、
それと同時に断ち切られた19世紀への望郷が、
ところどころで垣間見えるような気がした。
人はたくましく、都市のグロテスクを生きてゆく。

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