根岸吉太郎『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』
佐知、もてすぎなのに一途で、出来過ぎてるよなぁ。
最後に加えられたさくらんぼは短篇「桜桃」の主題で、
もっと場末で汚らしく描けばもっと良かったのに、と思った。
全体的にシーンが小綺麗だ。もっと土ぼこりの匂いのする光景がよかった。
広末涼子演じる秋子のぴらぴらな妖艶さが、なんかよかった。
ジャン=ジャック・アノー『愛人/ラマン』
恥ずかしながらデュラスの原作が未読のままに観た。
揺れる心のひだまで透かすような、綺麗な物語の進みだった。
下の兄が泣きながらピアノを弾き、
上の兄がジェーン・マーチを売女と責める場面の最後、
Salope! という科白でカットが入るのが印象的だった。
阿片を吸う梁家輝の変わり果てた目の曇りも。
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