17.11.08

『マネーの経済学』

日経文庫。経済の諸トピックスに関する概説。
以下、興味深く感じた内容のメモランダム。

貨幣は、交換と分業を誘発する。
日用品を貨幣で入手できることにより生産に専念でき、
また、拡大生産のため、分業化が進む。

紙幣としての機能を持つ預かり証は、十三世紀北イタリアに存在した。
このとき、預かり証は現在と違い匿名性がないため、
貸し手の信用度を知るための資金経路の情報を両替商に齎した→与信審査の機能
「銀行業務はカネにかかわることではなく情報にかかわることだ」
 (元シティバンク会長ウォルター・リストン)

ハイエクの貨幣発行権民営化論。
貨幣発行権に政治的中立性を求めた。

十九世紀半ばまでのスコットランドでは貨幣発行権は非国有。
la Fed設立まではアメリカには中央銀行(役)は存在せず、
民間銀行による紙幣の林立があった(価値裏付けは州への債券の預託)。

地域通貨。中央集権に凝り固まった日本経済の閉塞打破に有効な対策。
1932年にオーストリアのヴェルグルでデフレ対策に導入された地域通貨は、
減価貨幣(スタンプ貨幣とも)により成果を上げた。
ゲゼルによって提唱された減価貨幣は、時間の経過とともに価値が減少するというもの。
ケインズ『一般理論』でも解説されている。

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