6.5.10

アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』、ダニー・ボイル『トレインスポッティング』/快晴飛行

・アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』

書き出しは、He was an old man who fished alone in a skiff(以下略)
福田恆存はこう訳した。「彼は歳をとっていた。メキシコ湾流に小舟を浮かべ、(以下略)」
名訳でなくてなんだろう。関係代名詞なんて不自然だから訳さないスタンス。
それはさておき…息を吐かせない描写に圧倒された。
専門用語や魚名をここまで持ち出して、なのに散文として違和感がない。
緻密、とはまた違う。緻密といえばスピード感が澱む。単純に嘆息。


・ダニー・ボイル『トレインスポッティング』

偶然と幸運が散りばめられた主人公が、にんまり笑いながら脇を出し抜く、
その心地よさと毒が良かった。観ていて素直にのめり込んでしまう。
役も一人々々立っていて好い。
ストーリーがプロット過ぎないところも。

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帰浜した。快晴で地表がずっと見えていた。
人生で二十回は伊丹から飛ぶが、こうも見晴るかした経験は初めてだ。
千里、万博記念公園、モノレール、果ては山科まで。
明るくない東海地方でも、木曽三川、富士山、御前崎、伊豆半島、が
うろ覚えながら特徴ある地形から知れた。

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